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嶽本野ばら初の書き下ろし短編集、待望の電子化! あの『ミシン』で鮮烈なデビューを遂げた嶽本野ばらの初の文庫版を電子化。 互いに頑なな誇りを持つが故、すれ違い、翻弄されつつも惹かれあう「僕」と「君」の恋愛風景の数々―。京都・東京・鎌倉・小樽と、著者自らが偏愛するカフェーを巡り、その時空から紡ぎだした、夢ともうつつともつかない短編・掌編12本を収録。 他の作品群にもつながる作家独自の美意識が色濃く映し出された好著。ファン必読の一冊です!
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Posted by ブクログ
登場人物は僕と君だけ。この世界の何処かに居る、または何処にでも居る僕と君のお話。喫茶店で過ごすゆるやかな時間の魅力、そして 人を愛することについてをたっぷりと凝縮して詰め込んだ短編集。人間って愛おしい生き物なのだなあ。
実在する喫茶店を舞台に書かれた短編小説集。実際にお店を切り盛りするマスターやママ達の証言も含まれているので本作に登場する喫茶店がとても身近に感じられます。あとがきにあったように本作取り上げられた、昔ながらの喫茶店は姿を消しつつあることが一抹の寂しさを感じさせます。けれども、古き良き喫茶店ほど嶽本野ば...続きを読むらさんの作品に相応しい舞台もないのでは。ひっそりと静かな、街の片隅にあるカフェーに本を携えて行きたくなりました。
嶽本野ばらの中で1番すき、短編で旅行に持って行ったり何回も読んでる カフェをカフェーって言うのもいい これをキッカケに行ったカフェー、行きたかったけどもうないカフェー カフェーで待ち合わせしながら本を読んでいたいよね 乙女のバイブル
阿佐ヶ谷ヴィオロンは大好きなカフェーです。 ブランデー入りのコーヒー飲みながら静かに本読みたいなぁ。 ニュートンの林檎のモンブラン持ち込みで。
カフェーを舞台に、さまざまな人間模様が交錯する短編集。 どれも個性的で、読み応えのあるお話がそろっています。 この本を片手に、カフェー巡りをしてみたくなりました。
実在する純喫茶(カフェー)を舞台に、様々な男女の恋愛模様が描かれる短編集。どの話にも恋や人生に懊悩する僕(主人公)と君(ヒロイン)が登場し、その中には晴れて成就する恋もあれば、叶わぬ恋もある。彼らはある時はカフェーで出会い、またある時はカフェーで逢瀬を重ね、親密になってゆく。そして勿論、カフェーで別...続きを読むれを告げられて終わる恋もある。むしろ破れた恋の話の方が多い気がするが、個人的にはそれが良いと思っている。常に人で賑わう大衆的なカフェと違い、ひとりもしくは気心の知れた友人や恋人とふたりでひっそり訪れて、一杯の珈琲を片手に、共に過ごす「時間」を味わう純喫茶には、燃え盛るような熱い恋よりも、静かに落ちゆく線香花火のような恋が似合うと思うからだ。この本では、恋の始まりや最中、そして終焉にも必ず彼らの側にはそれぞれの"カフェー"が寄り添っている。様々なカップル、様々な恋愛の形と共にそれらの甘さも苦さも全て詰め込んだ"カフェー"が存在し、実際に足を運ぶことが出来るのはニクい演出だ。なぜならそこで読者は紙面で味わったほろ苦い恋を、追体験することが出来るのだから。 また著者の取材を元に書かれた、それぞれの「恋」の舞台となったカフェーの沿革や店内の内装の描写の細かさも素晴らしい。オーナーによって選び抜かれたアンティークの家具や食器が並び、レコードから奏でられるのは重厚なクラシック音楽……読んでいるとそうした純喫茶特有のメランコリックな空間が瞬時に脳裏に思い浮かんでくる。登場するカフェーでもそうでなくても、レトロな雰囲気の喫茶店で読めば更に没入感に浸れると思われる。外出時の鞄にそっと忍ばせておきたい一冊。 個人的には鎌倉の「ミルクホール」は何度か訪れたことがあり、思い出深いカフェーのひとつである。お店のクラシックな雰囲気や内装も好きなのだが、現地に辿り着くまでの道筋から既に非日常への入り口が始まっているようで、毎回ワクワクしながら足を運んでいる。もしもまだ訪れたことのない方がいればオススメしたい。メニューの「オペラライス(白いオムライス)」は見た目の美しさと味、どちらも楽しめる名品なので、ぜひ。
現実感のない「僕」と「君」の物語の数々。どれも夢うつつ、儚く脆く消えてしまいそうな繊細なお話。 不器用でも、愚鈍でも、出来損ないでも誇りを持ち生きれば良い。時代に合わせて自分を変える、器用な生き方は出来なくてもいっこうに構わない。 流行りのコーヒーチェーンの新しい設備、完全禁煙、オシャレで豊富な...続きを読むメニューも良いけれど…。 時間が止まったかのよな喫茶店に行きたくなりました。そしてそこで閉店まで居るとか、うたた寝をしてみたい…。
実在する/したカフェーをモチーフにした短編集 実在するカフェーと、一人称で語られる物語が多く、嶽本野ばら節がきいてるので、ついつい作者のエッセイのように読んでしまう。 短いお話が12編収録されているので、短い時間で読め、ロリータ好きやレトロな空間、静かな世界が好きな人向け。
野ばらさんの描く、実在する12のカフェーをもとにした御話。 やっぱり嶽本野ばらさんの小説を読んでる時間は、何にも増して綺麗な詞、綺麗な文体との出逢いの連続です。今回の御話達も、とても好きになりました。紅茶やビスケットが合いそうな、ほろ苦く甘美な短編集です。 『カフェー小品集』では、野ばらさんの他...続きを読むの著作よりも、登場人物の感情の機微がとても丁寧に、美しく書かれていた印象を受けます。この一冊を通して他の野ばらさんの著作を読んでみたら、また印象が変わってくるのでしょうね。(『シシリエンヌ』を読んだ時に「何故!?」となったあの展開も、今なら静かに呑み込める気がします。そのくらい一冊を通して野ばらさんの言わんとしていることが伝わって来ました。素晴らしい!) 自分は喫茶店にはほぼ行くことはありません。でも、それは所謂野ばらさんの言う「カフェ・ブーム」に対して自分の持つバイアスのようなものでしかなくて、野ばらさんが「カフェー」と呼称するこれらのお店、「サービスをしないことがサービス」な、変わらぬ贅沢さを持ち続けている、時代においていかれた喫茶店にはとても衝撃を受け、魅力を感じましたし、「カフェー」が「カフェー」である理由がわかった気もして、ちょっぴり耽美な気持ちです。いつか行けたらいいなぁ。 結びとして、やはり野ばらさんの作品を通して考えられることは沢山あります。ここまで自分を読書の虜にした作家さんもそうそういないでしょう。『カフェー小品集』の中で好きな御話を挙げるなら、やっぱり「凡庸な君の異常なる才能について」だと思います。でも、生き方としては「モンチッチの誇り」のものに激しい共感を持ちます。何れにしても、私はこれからこの一冊もまた、聖書のように読み続けるのでしょう。
面白かったです。 カフェー、素敵な響きです。 昔からある純喫茶の趣…行ってみたいカフェーがたくさんですが、閉店してしまったお店もあるみたいで悲しいです。腰を重くしてないで、行きたいと思ったら行かねば、です。 フランソアは行きました。ミルクホールはお店の前まで行ったけど時間切れです。また行きたい。 「...続きを読む僕」と「君」…叶わない恋がほとんどですが、必然だから叶わないのかなとも思いました。好きすぎると上手くいかないなぁ。 文章や、登場人物の言葉遣い、素敵です。お手紙はしたためるものです。「ロリータとゴシックロリータは似て非なるものだわ」。 野ばらちゃんの美意識、好きです。 「真摯に生きることとは魂を摩耗しつづけていくことでしかないのかもしれませんよね。」
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