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「ようこそ、婚約者殿」そう言って恵茉を迎えたのは、狐面で顔を隠した青年だった――。
祖父を亡くした恵茉は、言いつけに従い訪れた代官山の屋敷で、律と出会う。彼は婚約者であると同時に、祖父が菓子を納めていた店の主でもあるというのだが。
(菓子店ではなく、画廊を経営?)
律の画廊には、怪奇現象を起こす絵の相談が寄せられる。それを解決する菓子作りの力が、祖父から恵茉へ継がれているようで……。
心の傷と、秘密を抱え、絵に込められた思い出を解きほぐす、二人の恋愛ファンタジー。
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