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江戸幕府の始祖・徳川家康の継嗣・秀忠と浅井長政の娘・江与の間に生まれた千姫は、政略により幼くして豊臣秀頼に嫁いだ。しかし十八の春、ついに家康は大坂城に総攻撃をかけ、千姫は速水甲斐守の娘・三帆とともに逃れた。千姫の第二の人生の始まりであった――。動乱の戦国時代に生を享け、数奇な運命に翻弄されながらも、徳川揺籃期の後見として天寿を全うした千姫の情熱にあふれる生涯を描く、長編時代小説。
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Posted by ブクログ
以前、織田信長の娘「冬姫」を主人公にした小説を読んだ。それが面白かった印象があり、徳川家康の孫「千姫」の歴史目線も知りたくて手にした。 豊臣家滅亡の時にあって一人大阪城から脱出して生き永らえた…家康の孫だから…秀忠の娘だし…そりゃあ助けるよなぁ…くらいの認識で、それが千姫本人にとって本意だったのか不...続きを読む本意ながらの脱出だったのか、そこらあたりが丁寧に描かれるのかと思いきや、脱出劇はあっという間。 その後の千姫の恋愛、結婚、出産、そして夫の死後に分かった出来事など、千姫様の波乱万丈の生涯を共に生きてきたような読後感が持てる作品だった。 おもしろかった。
昨年、念願の姫路城に行って気になった千姫。 私の浅い知識では、あまり良いイメージではなかったけれど、この作品の千姫はとても慈悲深く魅力的な女性でした。 史実とは違う部分も、諸説ある歴史だからこそ面白く読めました。複雑な繋がりも分かりやすかった。 姫路城も書写山もこれを読んでから行きたかったな。もっ...続きを読むと興味深く見ることができたと思う。また行きたい!
千姫を主人公にした時代小説。 淀の方や千姫など昔は特に女性は悪女など改変されることが多い。記録にも一部そういった類が残るが、 大抵は捻じ曲げられて解釈されていたりする。 そういった信憑性に欠ける話より、手に入る限りの資料に沿った忠実な描写が良い。 文章も読みやすかった。
歴史に触れて
幼いころに、よく千姫様の映画やテレビ番組があった記憶があり、今ひとつ千姫様のひととなりがわかりませんでしたが、今回、じっくり読みまして、豊臣時代から徳川時代への変遷に翻弄されながら、凛と生きられた様が分かりやすく表記されており、再確認出来ました。現在の軽薄な?生活様式とは大きく違い、言葉使いに始まり...続きを読む、その生活の有り様も大変魅力的で、歴史を再認識致しました。
千姫関連2冊目。 これは読みやすく、最初の夫が生きのびて別の国にいるかも設定や、ラブラブな現在の夫との関係、侍女、史実とは違うだろう要素も現代に受け入れやすく書いてあって面白かった。 昔の人は政略結婚なんて当たり前で、でもその中にもやっぱり恋愛感情があったり、嫉妬があったり、子(男子)を授かるために...続きを読む側室をもったり、女性の生き方として今ほど自由じゃない中にも幸せもちゃんとあってよかったな。
徳川家康の孫にして、二代将軍秀忠の子、千姫。 数奇な運命を辿った姫。 女性の目線で細やかに描かれた人生。 恋を知り、花開いていく千姫の心の中まで、透かして見るようだ。 千姫の喜びが手に取るように分かる。
まずもって日本語の表現の美しさが素晴らしい。殊更に難解な言い回しをするのではなく、簡易な言葉を整然と並べてる感がある。物事は見る者の立位置により印象は大きく変わるが、本書では正悪どちらに傾くでなく、人間千姫を丁寧に現している。丁寧ではあるが、ストーリーは大胆であり、多くを語りすぎない点が、想像の余地...続きを読むを残し、読後にも感慨を残す。簡潔な良作。
さすがベテラン小説家。楽しく読めます。 面白いと思ったのは、豊臣の残党がアジアの国々で商人として生きていこうとするところ。 この小説では、秀頼生存説を取っていて、秀頼もまた南の国で生きていく。 いつの時代でも、異国での生活は、新たな自分、新たな生きる道を与えてくれるもの。
坂崎出羽守のいわゆる千姫事件による悪いイメージを払拭した平岩弓枝ならではの千姫となっている。 豊臣の滅亡、本多忠刻、息子の死など波瀾万丈の人生であり、なかなかに読み応えある。
一気読み。 秀頼が生きて外国へ出ていったという説をとる事と千姫の侍女で複雑な立場·心情を持つ三帆を登場させる事で、千姫のその後の生涯を情熱的·積極的なものとして描いている。 浅井三姉妹の娘で嫁で、「東福門院和子の涙」の和子の姉なんだもんねぇ。。。あの頃の姫たちのむちゃくちゃな使われ方よ。。。 本...続きを読むには出てこないけど、高山寺にある、傷んでいた鳥獣戯画を見て気に入って、修復した(させた)のは東福門院和子だそうな。 ありがとうございます。
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