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昭和52年夏、密室状態のホテルの部屋から一人の女性が消え失せ、海岸で死体となって発見された。孤独な少年・ヨウイチの隣人で、女性の知人でもあった男は「透明人間は存在する」と囁き、納屋にある機械で透明人間になる薬を作っていると告白する。混乱するヨウイチ。心優しき隣人は犯人なのか? やがて男は外国へ旅立ち、26年後、一通の手紙がヨウイチのもとへ届いた。そこには驚愕の真相が記されていた! (講談社文庫)
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Posted by ブクログ
最後のタイトル回収が秀逸。透明人間とは…。 過去への憧憬とともに語られる、子供の目線だからこそ分からない大人の事情。 子供だった自分と世界がいかに残酷か、大人になってから気付くやりきれなさ。 頼り甲斐のある大人の有難さ…。 子供向けと思い少々見くびっていた。 漢字にはルビがふってあり、子供向けに...続きを読む作られてはいるが、際どい描写があるにはあるので注意が必要? 表紙・挿絵のおどろおどろしさも良い。綺麗な装丁と相まって手放し難い一冊。
時代は昭和52年の夏、孤独な少年ヨウイチの唯一の楽しみは、家の隣で印刷所を営む真鍋との語らい。身近なこと、宇宙のこと、将来のこと、様々な事柄を真面目に語り合った二人だが、一人の女性の消失事件が二人の運命を変えることになる。 島田荘司氏らしい奇想と、昭和50年代という某国がまだ理想郷と一部に思われてい...続きを読むた時代背景がマッチして、良質なミステリーに仕上がっている。少年向け作品らしいが、時代を知っている大人のほうが味わい深いかも。
透明人間は何を意味するのか。真鍋の正体は? 最後に明かされた真実に、そういうオチか!と納得。トリックとかないミステリーも楽しめました。
なんとなく買うときから予感はしてたけど、前に読んでた。 でも再読してみても面白かった。 島田さんは初期の作品は文句なく名作揃いだけど、後期はやや当たり外れがあると思う。特に社会派の傾向が強いほどイマイチに感じる。この作品はそれらと比べても独特のテイストがあり、異彩を放っている。 トリック?はまあさほ...続きを読むど重要ではなく、主人公の少年独特の切なさがたまらない。
講談社ミステリーランド第1回配本作品の文庫化。 作品冒頭、ペルセウス座流星群の夜が、なんともいえず美しい。 主人公の少年と隣人の男性が、真夏の夜の浜辺に腰をおろし星を見上げながら語り合う…というか、主に男性が語る場面なのだが、その一言一言に心を動かし、見えるもの聞こえるものに敏感に反応する少年の様...続きを読む子が、みずみずしくもせつない。 ミステリーとしては、とてもフェアに書かれているため、謎の核心にあるものが何かは最後の解明を待たずとも察することができる。しかし、それをこの作品のテーマに持ってくるとは、しかもこれほどリリカルに書ききるとは…さすが島田荘司! それに、あっぱれミステリーランド! です。
「透明人間の存在」を作り上げた工作員の技は小さな窓からでも自由に出入りでき、そこにあった「蜘蛛の巣」は証拠を隠滅するに十分だった。蜘蛛の巣は「1時間もあれば1年も前からそこにあるような厚いものになる」という事実を警察は見逃していた。蜘蛛の巣の習性を知る、知らないでこの事件は大きく動いたのだ。
読み終わってこその満足でした。 すっきりする話は良いですね。 ファンタジーとミステリーの融合、 素敵な世界観でした。
孤独な少年ヨウイチが唯一心を許し、尊敬する人物である、隣人の真鍋さん。彼は、透明人間が存在すること、そして、納屋で透明人間になる薬を作っていることをヨウイチに告白する。 そんなある日、密室状態のホテルから一人の女性が蒸発するかのようにいなくなり、海岸で死体となって発見される。 真相が明らかにならな...続きを読むいまま、26年の月日が経ち、一通の手紙を受け取ったヨウイチは驚愕の事実を知る・・・ 子どもも読者として想定している為か、かなり展開が早く、SF的な要素も含んだ軽いお話かな?と思いきや、終盤の手紙をきっかけに、急に現実的で大きな話へと展開します。 自分を取り巻く環境でどうにもならないことがあったり、自分の未熟さを悟ったり、自分の選択を後悔したり・・・少年の視線で語られるストーリーを通じて、ちょっと切なくなる作品でした。。
御手洗清だと思い込んで購入したのだが、これは違った(^-^; こういうのも書かれるのだなぁ・・・。 何だかわからないが、文章が読み易い所為なのか?凄く物語に引き込まれる。 まさか、透明人間なんてオチじゃないよなぁ~って思いながら読み進めていき、結末は!! 全く想像していない結末・・・。 楽しく読...続きを読むませて頂いたが、御手洗清が出てこないのは何となく物足りない(^-^;
なんと!!!?普段怪奇大好きな自分としては「透明人間」なるものも怪奇ミステリとして言葉のままに受け入れて読み進めていたが、いやはや社会派ミステリではないですか。しかし、ジュブナイルな部分がとてもうまくキレイに描かれており、感動の作品です。個人的には思いもよらぬラストだったため、読み終えたあとの動揺が...続きを読むハンパありません!
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透明人間の納屋
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島田荘司
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