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ゲーテ自身の絶望的な恋の体験を作品化した書簡体小説で、ウェルテルの名が、恋する純情多感な青年の代名詞となっている古典的名作である。許婚者のいる美貌の女性ロッテを恋したウェルテルは、遂げられぬ恋であることを知って苦悩の果てに自殺する……。多くの人々が通過する青春の危機を心理的に深く追究し、人間の生き方そのものを描いた点で時代の制約をこえる普遍性をもつ。
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Posted by ブクログ
「ひとが人生のうちでこの本に心を動かされることがなかったとしたら、それはあまり良いことではないだろう」とゲーテは語ったらしい。「こんなにあなたを愛した私を、あなたは決して憎めない」と、ロッテへの純粋な愛と信頼を貫き通した彼の儚い人生についてのこの小さな記録は、到達不可能な憧れに一身を捧げる(シェリー...続きを読むが星と蛾のたとえで美しく言い表したような)愛の喜びと、それの裏側でしかない悲哀を同時に提示し、我々の生に暗くも美しい影を落としている。ウェルテルはロッテの元を静かに立ち去るべきであっただろうか。ロッテはだけれど、確かにウェルテルに想いを寄せていたし、ウェルテルは、ただのエゴイズムから最悪の結果を招いたわけではない。愛そのものが純粋だとしても、その純粋さそのもののゆえに、ひとは、その純粋な愛を保ち続けることに耐えることができないのかもしれない。愛が美しくそして純粋であればあるほど、それを心のうちに保つにはあまりにひとは弱すぎる。
『ファウスト』と並ぶ、ゲーテの代表作にして、近代文学の傑作である。アイドルオタクの私の心はズタズタに切り裂かれた。 繊細で恋愛を知らない若貴族ウェルテルが、法官の娘シャルロッテに空前絶後の恋に落ちてしまう。しかし、シャルロッテには既にウェルテルすら尊敬してしまう許婚がいたのである。 伝統や風習、...続きを読む世間体を堅く守り、ウェルテルを愛しながら、彼の気持ちを受け入れることができないシャルロッテと、ひたすら愛に飢えるウェルテルの心情描写が見事。恋愛に関する、ありとあらゆる事柄がこの物語に詰め込まれている。 当時欧州に自殺ブームまで起こしてしまったこの悲劇が、21世紀の若者にも突き刺さってしまうことは、かのゲーテでも予測できなかっただろう。
アラフォー既婚の私が読んだので、どうしてもロッテの立場を考えてしまう…。 この後ロッテはまともに生きていけるの?女の人って精神的に強いから大丈夫かな。 もっと若い頃に読んだらどんな感想を持っただろうか?ウェルテルに共感する部分が多かったのだろうか?ウェルテルの熱い情熱にひきつつも、人間の内面を深く...続きを読む切りとって書かれた名作。読み終わった後の余韻が半端ない。
あそこまで純粋に感情を表現することができる主人公がある意味で羨ましくも感じてしまいました。この本が発表された当時の読者に自殺者が急増したという事実を知って、当時の人々の感受性の鋭さに驚きです。 淡々と日々を過ごしてしまっていたので、もっと自分の感情に素直になろうと思える素晴らしい1冊です。
10代・20代のうちに読んでおかなくてよかった。 確実に病んでいたと思う。。 最後の朗読の場面、難解だったけどとても美しい情景だと思いました。
青春の心の変遷、揺れ動き、感情の起伏、恋の嵐、など追体験しているようにすらすらと読み進められた。最後の神々のたとえ話のところは読みづらかったので飛ばした。 ウェルテル効果ってこんな感じなのかってほんのちょっと感じたようなしないような。 読み進めながら、どこまでもシャルロッテの人となりを想像し、読み進...続きを読むめていたが、何とも言えないって感じ。作中にてウェルテルが書き記す手紙の中でいくつか真に迫る描写があったが、多くのことを学び考えさせられた。 幸せは、分別がつく前か、狂った後にしかなじまない。なるほど。たしかに。 現代社会に生きる自分たちにとっても多くのことを現実に即して学べるし、この先もずっと読み続けられるのだろうと確信した。人がいない時期に遠い田舎や歴史あるところに出かけて行って、太陽や森、あらゆる生命に囲まれて、この物語をもう一度読んでみたい。どんな気持ちがするだろう。
ウェルテルは即死じゃないんだ、、が一番の驚きポイント。 ウェルテル自身ちょっとだけ生きづらいタイプの思考をする傾向にあるけど、真逆というか相容れないタイプの人(恋しいシャルロッテの結婚相手)にも割とそれなりに反論したり攻撃的になったりするところも見れておもしろい。 全体に、恋に落ちて夢中になってい...続きを読むる人の世界がとても丁寧に美しく描かれててて、シンプルに語彙の力ってすごいなと思った
これがゲーテ自身の中で起こった出来事だと思うと不憫で仕方がない。それを書き出せることによって作品に昇華できてよかった。その事が彼を救ったのでは無いかと思う、
「初版」訳の光文社古典新訳文庫を読み、「改訂版」の新潮文庫も読んでみた。前者の解説によると、11の書簡の追加と「編者から読者へ」の全面的書き換えがあったとのこと。受ける印象は大きく変わらないが、改訂版の方がウェルテルの心情が客観的に書かれているように感じた。それでも後半に向かうにつれてのウェルテルの...続きを読む鬼気迫る盲信ぶりには「ウェルテルよ冷静になれ」と肩を叩きたくなった。本書が「精神的インフルエンザの病原体」と言われるのも納得。この作品を多感な10代に読んでいたら受ける衝撃も大きかっただろうと思うと後悔もする。
ウェルテルの思考が情熱的で芸術的であるがゆえにウェルテル自身の悩み、嫉妬などの暗い感情がこと細やかに書かれていた。 もう少しウェルテルがさっぱりした性格であったならこんなに悩んだりすることは無かったのかな。 ロッテと似たような感性を持ち合わせていたり、その性格ゆえに恋に対して悩みすぎてしまったり、...続きを読む途中から恋を一線越えた執着や嫉妬による苦しみが多く書かれていて読み手の自分も痛かったし辛かった。 時代や国を超えど恋に対する悩みとか苦しみは変わらない。 読むタイミングとか自分の精神状態とかによったら病んじゃうかもな。 最初の方は読みずらかったけど慣れると割とすらすら読める。
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