満天のゴール

満天のゴール

814円 (税込)

4pt

人の生と死に希望をもたらす感涙医療小説。

奈緒(33歳)は、10歳になる涼介を連れて、二度と戻ることはないと思っていた故郷に逃げるように帰ってきた。長年連れ添ってきた夫の裏切りに遭い、行くあてもなく戻った故郷・京都の丹後地方は、過疎化が進みゴーストタウンとなっていた。
結婚式以来顔も見ていなかった父親耕平とは、母親を亡くして以来の確執があり、世話になる一方で素直になれない。そんな折、耕平が交通事故に遭い、地元の海生病院に入院。そこに勤務する医師・三上と出会う。また、偶然倒れていたところを助けることになった同じ集落の早川(72)という老婆とも知り合いとなる。
夫に棄てられワーキングマザーとなった奈緒は、昔免許をとったものの一度も就職したことのなかった看護師として海生病院で働き始め、三上の同僚となる。医療過疎地域で日々地域医療に奮闘する三上。なぜか彼には暗い孤独の影があった。
一方、同じ集落の隣人である早川は、人生をあきらめ、半ば死んだように生きていた。なんとか彼女を元気づけたい、と願う奈緒と涼介。その気持ちから、二人は早川の重大な秘密を知ることとなる。
隠されていた真相とは。そして、その結末は・・・・・・・。

※この作品は単行本版『満天のゴール』として配信されていた作品の文庫本版です。

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満天のゴール のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    "その人の生きざまが死にざまに反映される"
    "救われないなら救いなさい"
    "山全体がホスピス"

    家族の思い出、人生の思い出が詰まった場所で、自分の意思で最期を選んで迎える。
    とても羨ましいゴールだなと思う。
    トクさんのゴールも早川さんのゴ

    0
    2024年05月22日

    Posted by ブクログ

    生き方が、どう死を受け入れて、どう終わりを迎えるか、生と死は相反することに思えるけど、繋がっている。自分らしく生きること、自分らしく終わりを迎えること、最期に幸せだったと思える生き方をしたい。作中で3人の老人が最期を迎える。その3人の老人からも生き方を学ぶことができた気がする。

    0
    2024年05月05日

    Posted by ブクログ

    『このままの人生で良いのだろうか』と考える事が多々ありますが、こちらの本を読んでみんな一回は考えるよなーと思いました。
    ふとした時に『何で生きてるんだっけ⁇』と一生考えても出ない答えを探したり。
    世の中は考えても考えても答えが出ない事ばかりなので、転んでも躓いてもとりあえず起き上がって、ゴールに迎え

    0
    2024年04月07日

    Posted by ブクログ

    夫に裏切られ、10歳の息子を連れて実家に戻った 奈緒は

    地元の病院で働き初める

    そこで出会った医師や、患者を通して

    生とは何か、死とは何かを考え

    生きる勇気を得ていくのだった


    思わず涙があふれる

    とてもいい小説でした

    0
    2024年03月19日

    Posted by ブクログ

    シングルマザーの主人公とその4年生の息子涼介が過疎化する故郷に住む人達のゴールを見届けながら一歩一歩成長する物語ではあるものの、故郷を離れず満天のゴールを目指す人達の姿は穏やかながらも神聖ですらある。物語もグイグイと凄い力で引き込んでくる。
    ここにも素晴らしい作家さんがいたんだと、とっておきのものを

    0
    2024年02月26日

    Posted by ブクログ

    どん底の人生にどう生きるか迷い避けて実家に戻った奈緒
    子供の頃の後悔に自らをせめ続けている三上医師
    自分の人生を諦めてしまっている老人早川さん。
    3人が出会い、お互いがお互いを少しづつ
    温め合いながら、前に進んでいくその姿は
    人生とは、生きるとは、後悔とはと
    たくさん考えさせられました。
    長い人生の

    0
    2024年01月06日

    Posted by ブクログ

    ジイの第一人者に現役の看護師に、この時点で引き込まれる予感しかない。実際にそうなりました。出だしの弱い現実を受け入れられない社会に放り出された奈緒、浅はかな、どうしようもない人間の厚かましい旦那に愛人、愛人なのに立場が対等と抜かしやがる愛人ってあなたはただの愛人でしょうと一声かけてあげたい。まあ数年

    0
    2023年12月01日

    Posted by ブクログ

    物語の舞台は、海が近くて星空も綺麗な医療過疎地域。
    そこが故郷で逃げ帰ってきた奈緒と息子の涼介。そして地元の病院勤務の三上。3人が主な登場人物。

    地域医療、訪問診療などが描かれてる中で、癌を患い人生の終わりが近づいている高齢の患者が登場する。
    読みながら、けっして病院の多くない故郷を思い出し、また

    0
    2023年06月11日

    Posted by ブクログ

    僻地医療、限界集落、かつて祖父母が生活していた離島を思い出しつつも、生活となりますと、都心で暮らす自分には想像もできない。

    そういった世界で、主人公と息子、とあるお婆さん、一人の医師を中心とした、死生観を考える小説でした。

    満点のゴール、素敵な考え方だと感じました。

    途中で心に響いたのは、仕事

    0
    2023年05月14日

    Posted by ブクログ

    序盤は考えの甘い奈緒に、自分勝手な夫と不倫相手、どうやっても満天のゴールに辿り着けそうもない登場人物にどんな物語になるのか不安になりながら読み進めました。

    全力で生き抜いた先に死があるのだとしたら、死は行きたことの証に違いない

    限界集落で死を迎える事を選択した老人が描かれますが、トクさんのように

    0
    2024年05月26日

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