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2020年春、惣菜店に勤める花は、ニュース記事に黄美子の名前を見つける。 60歳になった彼女は、若い女性の監禁・傷害の罪に問われていた。 長らく忘却していた20年前の記憶――黄美子と、少女たち2人と疑似家族のように暮らした日々。 まっとうに稼ぐすべを持たない花たちは、必死に働くがその金は無情にも奪われ、よりリスキーな〝シノギ〞に手を出す。歪んだ共同生活は、ある女性の死をきっかけに瓦解へ向かい……。 善と悪の境界に肉薄する、今世紀最大の問題作!
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Posted by ブクログ
人が嬉しくて楽しくてたまらなく幸せだと思う時、他人と分かり合えず複雑な気持ちになった時、怒りで我を忘れそうになった時、そういう時、文字にして表すならこんな感じなのかと思うぐらい、作者の表現が上手かった。それが大きな共感と感動を引き起こし、私の中では衝撃の一冊となった。生きていくには金を稼ぐしかないと...続きを読むいう状況は、私にとって当たり前のことだが、ずいぶん遠く緊張感のないことだということをこの本を読んで思った。 自分の体験と重なる部分があって苦しかった。花が責任という重圧から、桃や蘭や黄美子さんに強く当たるという場面。なんとかしないと、と思えば思うほど周りとの心が離れていく…花は苦しかったと思う。 先が気になりすぎて夢中で読んだ。とても良かった。
貧しさ故に金に執着し、寂しさ故に誰かに依存する。 金に支配され、犯罪に手を染めていく女達が恐ろしくもあり、哀しくもあった。 確かにお金がないってのは辛いし不幸だけど、沢山手に入れても不幸なのかな… と色々考えてしまいます。
実際にこんなことあるんやろうなぁと思わせる。頭のおかしいところがあるという表現にドキッとするけど、リアル。 ヴィヴさんが飛んだところが秀逸。その裏切りこそが社会て感じするよね。
貧困家庭、頼りない母親という環境で、 働けど働けど報われない、花。 真面目で責任感の強い優しい子だから、犯罪にもそのスタンスで夢中で取り組む。 不良少女とも少し違う気がするし、10代とは思えないほど、自分一人で生きていかなければならないという、危機感をもっている。そして責任感の強さからか、注意深く思...続きを読む慮深く、一緒に暮らす仲間とは本音の部分では分かち合えない。 ラストに向かい、怒涛の蔑み合い、罵り合いになる部分は、花の心が崩れる音が聞こえてくるほどに、痛々しくて辛い。 桃子なんてほんと親の脛かじりで、花の立場からすると憎たらしくなるけど、でも家庭環境はやっぱりひどいものだし。あえて仲間に金持ちがいるってのも、貧困だけが家庭環境を悪くするわけではないケースに頭が痛い。 ラッセンとか、ミレニアムとか、hideの死とか、同世代だから胸がキュッとなったのもある。 600ページがあっという間。
胸が苦しくなる小説だった。でも一読の価値あり。 (重たいテーマの本だけれど、極度な暴力シーンやグロテスクな描写は無いので、そういうのが苦手な方はご安心を。) 闇に落ちていく登場人物たちの描写がリアルで、どうにか幸せを願わずにはいられない。 「ノンストップ」と評されているだけあって、クライマックスのよ...続きを読むうなヒリヒリするシーンが何度も来る。
社会の仕組み、とりわけ「金」にまつわるそれの陥穽に堕ちてしまった主人公の少女を描く物語だが、そうなると犯罪やウリに手を染めて破滅していく人間性を描くか、闇社会のリアルな描写を交えたクライムサスペンスになるか、あるいは制度や構造という社会自体への批判に行くか、得てしてそういう内容になりそうだが、主人公...続きを読むを10代の少女にしたことで、金を「避けることのできない自分の周囲をとりまく世の中そのもの」とし、それに圧迫され翻弄される主人公の内面や成長を描いているところが著者らしいと思う。いろいろと考えさせられることの多い小説だが、自分は大きく二つのことに感銘を受けた。一つは「金」と「幸福」の関係性のこと。幸福になるためには最低限の金が必要だ。金は今と明日の自分の人生を保証する。人間が金(経済)という社会の仕組みを考え出し、それを持つことで明日の幸福権を手にできる。じゃあ金で幸福が買えるかというとそうではない。人間が人間らしい幸福を得るために金は必要で、それがゼロスタートだったため主人公は金稼ぎに奔走せざるを得ないのだが、じゃあ彼女は金で幸福を手に入れることができたのだろうか? 実は幸福というのは小さくてわりに簡単に手に入れることができるものであり、お金ともあまり関係のないところにあるという事実である。この小説はそのことをつきつけてくる。もう一つは圧倒的な時間の経過を感じさせること。主人公が金に翻弄されながら生きた数年間の描写、とりわけ家族、仲間たちを初め様々な人々との出会いや会話の場面が秀逸で、あとから主人公が過去を振り返った時に、これがたった数年間の出来事だったのかと思わせるだけの密度をもって書かれていると思う。この小説は主人公の内面語りであり、主人公は何度となく過去を述懐するのだが、読んでいてああ、あんなこともそんなこともあったよな、と驚くほどの時間の濃密さを感じさせてくれる。
長いけれど、登場人物の状況や感情が手に取るように分かるのが面白かった。 一般的な生活を送れない人々(家庭環境やまたは自身の性格から)が生きるために、犯罪に手をつけてしまう状況は、きっと社会の裏側、私が見えないところで、でもとても身近なところで実際にたくさんあるのかもしれないと思った。
重くて、暗くて悲しい
とっても辛かったしこんなに救いようのない狂った状況ってあるんだなって。人生お金が全てではないと言いたいけど、そういうことを言えるのも本当は金銭面でも精神面でも余裕があるからで、どん底から這い上がろうともがく花ちゃんが不憫で痛ましかった。周りの大人がもう少しマシならまともに育っていたであろう賢い子だと...続きを読む思った。
#泣ける #ドキドキハラハラ #ダーク
「家でも金でもなんでもいいけど、仮にその誰かのものを自分のもののように遣える状況になったとしても、それはあくまで遣わせてもらっているだけのことなのだ。金を出すやつは金を出してもらうやつより強い。金を出すやつは口を出すし、それが通る。金を出すやつには意識していてもいなくてもいつも優越感があって、出して...続きを読むもらうほうは無意識のうちに卑屈になるし、顔色をうかがうようになっていく」。 生活を安定させるためにお金に取り憑かれた花。身分が証明できないから通帳さえ作れない。もし、身分証明ができて今の時代なら、外貨とかNISAで資産を増やす手もあって、こんなに追い詰められることはなかったのかなあ、と思う。 あと感じたことは、主人公の花は子どものとき、周囲から与えられたものが少ない。それはテレビ番組だったり、音楽だったり、本だったり、文化的なものも大きい。自分の素地が何もないところも関係して、お金に執着してしまったのではないかと思う。
凄かった。 どうしてこうなっちゃったんだろう… なんて考える余地もない程 昔から轢かれたレールだった気がする。 始まりも、終わりも。 どんどん悪くなっていく現状に 「れもんがあればなぁ…!」と 読みながら何度も思った。 まともな大人が一人いれば違ったのかなぁ
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川上未映子
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