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怖くて誰も書けなかった、これが「暴力団の虚像と実像」! 新宿歌舞伎町の通称・ヤクザマンションに事務所を構え、西成の賭場に単独で潜り込み、ヒットマンの壮行会に列席…著者の日常はまるで“東映ヤクザ映画の世界”。警察が山口組の弱体化目的でナンバー2と3を逮捕した2010年の「頂上作戦」以降、組はますます潜行し正体が見えづらくなった。しかし「殺すぞ」などの脅迫にも怯まず15年、暴力団専門ライターとしてヤクザと寝食を共にしてきた経験がここに結実!
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Posted by ブクログ
こういう実録系の本を読むのが初めてなので 「ん?」「この人いつ出たっけ・・・」 と何回も読み返したり戻ったりしつつ すごく面白いです。
筆者は「殺し屋1」も舞台のモデルとなった歌舞伎町のヤクザマンションに事務所を構え、加納貢氏を居候させ、関西の手本引きの賭場に潜入、果ては九州の抗争事件を追いかける…。体を張って書かれた貴重な記録です。 筆者はフリーライターとして独立する前に業界誌として名高い「実話時代」にて修行を重ね、姉妹誌(も...続きを読むしくは兄弟誌?)にあたる「実話時代BULL」の編集長をやっていらしたという「筋金入り」の方で、フリーとなってからは自ら彼らの懐に飛び込むために「殺し屋1」という漫画の舞台になった通称「ヤクザマンション」のモデルになったといわれるマンションに仕事部屋を借り、日常的に彼らの生態や行動原理、そして暴力の現場を見ることになります。 やはり、僕にとってのハイライトは2つ。ひとつは、上の階のベランダから「その筋」の方が降ってきて現場検証のために筆者の仕事部屋が使われたという箇所。「非日常が日常」の歌舞伎町でも最先端の危ない箇所に身を置いたからこそ、こういう現場に出くわし、また彼らの懐に飛び込んだからこそ徹底した組織人である彼らが筆者に胸襟を開いたのだな、という部分がいくつもあって、それがやはり、テレビや新聞などのマスコミではなかなかうかがい知ることのできない「余人を持って変えがたい」ものであると感じ入ってしまいました。 2番目は、「ジュクの帝王」の異名をとった加納貢氏の晩年を筆者が世話していた、という箇所で、一時は肩で風を切って歩いていた加納氏が最後のほうになるにつれて、孫ほど歳の離れた筆者に「醜い」と断言され、歌舞伎町の片隅でひっそりと亡くなっていく…。そこにはなんともいえない後味の悪さとともに 「かっこいい理想を口走り、それを最後まで貫くなら、孤独な死が待っている。加納の死はその事実を私に教えてくれる」 という一文は、ある種の真理を突いているのかもしれません…。 歌舞伎町の事務所を引き払った筆者は「本場」と呼ばれる関西。しかももっともディープといわれる大阪は西成に拠点を構え、手本引きの賭場という私たちには想像だにしない世界に飛び込んだり、九州で起こった抗争事件を追いかけるという自身の活動を通して、俗に「暴力団」といわれる人たちがいったいどういうものであるかということを伝えてくれております。 筆者は最後のほうで、「自分がここまで暴力団を追い続けてきたのは単なる好奇心だったと分かったからだ」という述懐を、なんと彼らの事務所の中で書いていて、その執念にひっくり返りそうになったのと、彼や、溝口敦氏のような存在がいるからこそ、私たちが決して窺い知る事のない世界が見ることができるわけで、その点においては非常に感謝もし、また自分にはできないんだな、ということを思い知った次第でございました。
とても面白かった。 暴力団という組織の話でなく、その構成員の日常や生活感や人間性、普段の姿が伝わってくる。と言ってもそれが書いてあるわけでなく、読んでいてそれを想像できるくらい臨場感にあふれた内容です。いろいろとヤバいエピソードもさらっといくつも出てきます。 巻末のエピソードが衝撃的。
ヤクザの取材を専門とする記者が、ヤクザについて語ったもの。15年にも及ぶ取材歴をもち、ヤクザに密着しながらさまざまな経験をしており、説得力があるとともに興味深い。ヤクザの実際の姿を知らない者にとっては、内容の真偽を判断することはできないが、著者の積極的な取材方法や正直な語り口から、そのほとんどは真実...続きを読むを語っており、核心をついているものと推察する。ヤクザは怖い存在ではあるものの、古き良き日本の伝統を踏襲した、よい人たちの集まりだと思えた。印象的な箇所を記す。 「歌舞伎町で発砲事件が起きたとき、警察は遠巻きにそれを見ている。ほとぼりが冷めるまで待っていて中に入ることはない。アメリカのようにやれとはいわないが、もうちょっと根性を入れてやってほしいよ」 「暴力団規模:1山口組(神戸)45%、2住吉会(赤坂)、3稲川会(横浜)」 「本当は相手を殺した後、死んでくれるのが一番助かる。そうすれば金もかからず捜査も終わる」 「元ヤクザの3割は覚せい剤の密売人となり、もう3割は窃盗団となり、これに加えて2割が暴力団の下請け、もしくは生活保護、女への寄生で生きているだろう。まっとうな仕事をしているのは、1割いればマシと思う」 「一般誌の暴力団記事は、どの程度まで書けばいいのかさじ加減が難しい。差し障りのない記事→面白くない→仕事がこない。踏み込んだ記事→面白い→でもトラブルになったら仕事がこない、となるからだ。例外は突出して硬派な記事だろうが、それだけの記事を記名で書く勇気と、書かせてもらえる信用を持ち合わせているのは溝口敦しかいない」 「(暴力団について)言動のすべては道徳的で、正当なものに思えた。印象に残っているのは、誰もが「地域のために、日本のために力を尽くしたい」と力説していたことだ」 「カタギさんを絶対に泣かしちゃ駄目なんだ。いつも弱い者の味方となり、強い者と喧嘩するのがヤクザの心意気だ」 「金の力は絶大で、同時に怖いものだと思い知らされた。(金をもらうと)当日は相応の罪悪感があっても、翌日になるとそれが半減し、もう一日たつと、当日の10分の1程度しか後ろめたさを感じなくなる。その蓄積は暴力団に対する遠慮に変換され、そのまま文章に反映される」 「芸能界と暴力団の繋がりはいまも続いている。相撲界にせよ、いまさらなにを大騒ぎしているのか、と不思議でならない」 「その賭博には関西のほとんどの博徒が来てた。そのとき、ある組織が関西でも名うての仕事師を連れて行ったんや。おそらく、関東の賭博なんてたいしたことあらへんという意識があったんやと思う。そのとき使うたのが、シャッターいうて、バタバタと目の変わるイカサマ札。せやけど稲川会の合力はすごかった。一発でパシッと見破り、そっと注意したからな。向こうの合力はみな達者やな、思うたわ」 「とにかく、昔の親分はどこの組であろうがみんな器量の大きい人ばかりやった。喧嘩も強いし、根性も情けもある。とくに代紋頭という人は、一種特別やったよ。若い衆がさらわれたとき、白い着物を着て乗り込んで助け、自分が殺されたなんて親分もいるんやからな。組織の大小やない。みんなそのくらい器量があったんや」 「社会の裏側で暗闘を繰り返し、それなりの立場に上り詰めた親分や組長には、苦労の歴史がある。内部闘争を勝ち抜き、他団体との抗争をくぐり抜け、ときには破門となって辛酸をなめながら、幾多の困難を乗り越えていまの立場にのし上がったのだ」 「これまでの社会は暴力団という存在を内包したまま、彼らに一定の役割を与え、それなりに上手く機能させてきた。犯罪者たちの重石となり、反共運動の防波堤となり、バブル期には企業の尖兵となって地上げという汚れ役を引き受けた」 「暴力団が害悪しかまき散らさない完全悪というのは嘘っぱちである。売春、ドラッグ、違法賭博、取立て、会社整理、様々なトラブル解決等々、日本の社会は今のところ暴力団を取り込んだまま、それなりにうまく機能している。汚れ役を切り捨てるなら相応の対価がいる」
10年以上ヤクザを取材し続けてきた著者が語る。ヤクザの実態と未来について。 取材対象とお近づきになるために、 歌舞伎町のヤクザマンションに住むまでして、 取材をつづけた著者が書いた本だけあって、 情報の生々しさはさすがだった。 流行りのコメンテーターがさらっと書き上げたような新書とは情報の密度が...続きを読む全く違う。 過去、現在のエピソードを通じて、 普通の人には実態がよく分からない ヤクザ・暴力団について、 活動の輪郭、組織の性質が、 おぼろげながら見えてきて、 非常に面白い。 昔は羽振りのよかったヤクザも、 暴力団排除の条例で 今は日本での活動はかなり厳しいようだ。 (著者はヤクザは今や斜陽産業だと言っている) ただし、最近のヤクザは海外展開にも力を入れてるようで、今後も根絶はされないだろう。 犯罪組織と一口に括られるヤクザだが、 社会、地域社会の中で一定の 役割を担っている事も事実のようで、 必要悪とまでは言わないが、 彼らの存在をどのように捉え、 コントロールしていくかというのは、 社会にとって難しい問題だと思った。 まぁ一個人で言えば、 一生関わり合いを持たずに生きていければ、 それで良いと言うことにはなるのだが、、、
筆者は週刊実話などでヤクザ記事を執筆しているヤクザ専門ジャーナリストである。本書は、この特殊な分野を専門としている筆者の仕事の裏側を記したもので、ヤクザとのつきあいとか、ヤクザに対する筆者の考えとか、を読みやすく書いている。 マスコミ報道では分からない裏の世界の一部が見えてきておもしろい。怖いも...続きを読むの見たさの興味だが、筆者はごくふつうの一般人の視線を持っており、眉をひそめるような記述はない。 法律のよる引き締めでヤクザも減少方向で筆者の仕事も減っているそうだ。博打や任侠など日本文化のあだ花であるかもしれないヤクザは、昭和の映画でしか見られない時代も近いようだ。
日頃なかなか知ることのない、暴力団構成員の日常的なところをかいま見るには面白い一冊。興味がない人にはどうでもいいものでしょうけど。 昔、ゴルフ場でキャディをやっていた叔母の話にもあったけど、大物のヤクザほど偉ぶらないとかそういう傾向ってやっぱり本当みたいですね。 著者は取材対象としてはちょっと近づき...続きを読むすぎてしまっているのではないかと思うが…写真見たら間違いなくそのスジの人だし。
ヤクザジャーナリストによる暴力団の裏表を書いたノンフィクション。 面白かった~。 この著者は、本当にヤクザが好きなんだな~。 読んでて、私までが洗脳されてしまったのか「ヤクザって只者じゃね~。かっこい~」と思ってしまった。 怖いけど、義理人情礼儀はかたく、幹部になるとそりゃも~すごい。 何年か前...続きを読むに、暴力団絡みが理由で突然引退した芸能人がいたけど、実は暴力団なくして政治や芸能、地元の商いは成り立たない。のかと考えさせられる。 どうやって、上手く共存していくかで、その後の安泰に響くんだよね~。 暴力団たちは「自分たちは『暴力団』ではなく『任侠団体』だ」と言ってたけど、読んでて「そうだよな~」と思ってしまった。 そんなヤクザも今はいろいろ厳しい情勢になってきてるみたいで、読んでて「がんばれ」って応援したくなる。 そんな気にさせた本でした。 やっぱり、洗脳されたかな。。。?
徹底的に入り込んだ取材で書かれているからこそ、 リアリティがすごいです。 息遣いまで聞こえてくるような。 僕は、様々な人が人生を賭けて得てきた経験を一気に読み いろんなジャンルの世界を知ることができるのが 読書の大きな楽しみであり、凄さだと思います。 この本は改めて本の凄さを感じさせてくれる本でし...続きを読むた。
ヤクザってどんな人々か、そんな疑問すら持たないまま、恐れているのであれば、一読すべきだと思います。 十年超深い付き合いをしてきた著者の言葉は、そこに日本の縮図を感じさせる表現があります。
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